6枚めくってサーチ
金満で謙虚な壺通常魔法 このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、 このカードを発動するターン、自分はカードの効果でドローできない。 (1):自分のEXデッキのカード3枚または6枚を裏側表示で除外して発動できる。 除外した数だけ自分のデッキの上からカードをめくり、その中から1枚を選んで手札に加え、 残りのカードを好きな順番でデッキの一番下に戻す。 このカードの発動後、ターン終了時まで相手が受ける全てのダメージは半分になる。
BLAZING VORTEXで登場する《金満で謙虚な壺》。
《強欲で金満な壺》に類似した発動コストに《強欲で謙虚な壺》に近い効果を持ちますが、細かい部分で結構差異があります。
最大6枚めくって好きなカードを手に入れられるという豪快な効果に対し、制約は割と緩めで多くのデッキに採用できそうな新たなる壺。
主に類似した点がある《強欲で金満な壺》《強欲で謙虚な壺》との比較をしながら考察します。
《金満で謙虚な壺》の特徴
発動タイミングが限定されていない
《強欲で金満な壺》との大きな違いその1。
発動タイミングがメイン1の開始時という制限がなされていた《強欲で金満な壺》に対し、こちらにはそういった制約がありません。
他のカードの効果によるドローができなくなるのは「発動するターン」にかかる制約ですが、相手が受けるダメージが半分になるのは「発動後」にかかる制約のため、メイン2で発動すれば後者の制約はほぼすり抜けることができます。
発動タイミングが限定されていないことから、魔力カウンターを貯めるカードを召喚・発動してから《金満で謙虚な壺》を発動できるのも見逃せません。
発動コストがランダムでなく、Pモンスターもコストにできる
《強欲で金満な壺》との大きな違いその2。
《強欲で金満な壺》の場合はランダムにEXを裏側除外してしまうため、EXデッキを活用する場合は同名カードを3積みして全て除外される可能性を下げるといった工夫もできますが、それでも運次第で使いたいカードが除外されてしまいます。
特に3積みできない制限カードは使いづらいという問題がありました。
こちらの場合はランダムではないためそういった心配はなく、制限カードも組み込みやすいです。
相手のデッキタイプがわかった後なら相手に刺さらないカードを優先的にコストに充ててしまえばいいですし、《強欲で金満な壺》と異なりEXデッキに送られた表側表示のPモンスターもコストにすることが可能と、コストに対する柔軟性は《強欲で金満な壺》を凌駕します。
《強欲で金満な壺》以上にEXをある程度活用するデッキにも採用できそうです。
【サイバース族】など展開にEXデッキを多く活用するデッキに不向きなのは同じ。
特殊召喚制限がない
《強欲で謙虚な壺》との大きな違い。
《強欲で謙虚な壺》と異なり発動ターンに特殊召喚制限がかかるわけではないので、引いたカードを使って展開していけるのは非常に大きな利点。
なお、《強欲で謙虚な壺》の効果はドローではないため、特殊召喚制限を許容できるデッキなら《強欲で謙虚な壺》と《金満で謙虚な壺》を併用していくのもありかもしれません。
相手への全てのダメージ半減
《強欲で金満な壺》《強欲で謙虚な壺》にはないデメリット。
とはいえ《強欲で謙虚な壺》も特殊召喚制限により戦闘ダメージやモンスター効果によるダメージは出しにくいので、《強欲で金満な壺》との大きな差異と言えそうです。
先述のようにメイン2で発動すればこのデメリットはほぼ回避可能ですが、基本的にドローカードは展開に必要なカードを確保するために使いたいのも事実。
引いたカードから展開して戦闘やバーンで勝利という流れは決めづらいため、「ワンキルは得意だが制圧は苦手」というデッキには基本的に不向き。
回れば16000ダメージも余裕ってほど振り切れていれば問題ないですが…。
【チェーンバーン】のような相手ターンにダメージを与えることができるデッキならデメリットを無視しやすい他、制圧が得意なデッキ、展開速度の遅いデッキも相対的にデメリットを許容できるか。
相性のいいテーマ
【武神】【ラヴァル】【芝刈り〇〇】【推理ゲート】等
《同胞の絆》《真炎の爆発》《隣の芝刈り》《名推理》等のサーチし辛いがリターンの大きいカードを採用するデッキ。
【ラヴァル】や一部の【芝刈り〇〇】はEXデッキを活用しますが、先述の通り《金満で謙虚な壺》のコストは選べるため1度の発動なら何とかなるか。
また、《名推理》《モンスター・ゲート》を活用するデッキにおいてはその効果で特殊召喚したいモンスターを手札に加えてしまう心配がない点でも相性良好。
【トゥーン】【終焉のカウントダウン】【ヘル・テンペスト】等
特定のカードへの依存度が高く、EXへの依存度が低いデッキたち。
【トゥーン】は初手に《トゥーン・キングダム》並びにそれをサーチできるカードを引けなかった場合、残りの35枚から6枚めくって《トゥーン・キングダム》《トゥーンのしおり》《トゥーンのもくじ》《テラ・フォーミング》の計10枚のうち1枚でもめくれる確率は約89%となり、これは当然ながら同条件下の《強欲で金満な壺》の2枚ドローで引ける確率約49%を大きく上回る確率。
それ以外のシーンでもめくった中に《トゥーンのしおり》or《トゥーンのもくじ》があればテーマ内のほぼ全域へのアクセス権を得ると同義なため状況を選ばず使えます。
トゥーンモンスターを過剰に引く心配がないのも《トゥーン・フリップ》の存在からありがたいところ。
【終焉のカウントダウン】【ヘル・テンペスト】等のサーチしづらいキーカードを擁する非ビート系のデッキも相性は良さそうです。
ダメージ半減は相手のみなので《ヘル・テンペスト》の発動条件を阻害しないのも〇。
【メタビート】系
《スキルドレイン》《マクロコスモス》等の強力なメタカードを引き込む手段となります。
メタビート系デッキは長期戦向きのデッキも多く、与えるダメージが半減してしまうデメリットも許容しやすいですね。
【リゾネーター】【儀式召喚】【夢魔鏡】等
シンクロデッキのチューナーと非チューナー、儀式召喚の儀式モンスターと儀式魔法のように、特定の2枚から展開するデッキはドロー枚数より特定のカードを引き込むことの方が重要。
もちろんシンクロ召喚を多用するデッキにとってEX除外というコストは無視できないので、シンクロ系では例えば【リゾネーター】のような最終盤面までのEX消費が少なめのデッキの方が適性がありそうです。
【儀式召喚】は大抵EXへの依存度が低い場合が多いためコストは問題になりにくいか。
【スプリガンズ】や【夢魔鏡】も特定のフィールド魔法とモンスターの2枚を揃えることが肝要であり、テーマ内のEXモンスターが少ない点でも好都合。
初動が最初からそろっているならこのカード自体を相手の妨害の囮にしたり《墓穴の指名者》等のカードを引くために発動するのもいいですね。
壺シリーズのなかでも屈指の汎用性
発動に際してのデメリットを許容・回避できるデッキも多く、相当数のデッキが採用を検討できる汎用性の高い壺。
展開でEXを大量に消費するデッキやワンキルに特化したデッキ、独自のドローソースを持つデッキ以外なら何でも合いそうです。
手札の枚数が展開の強さに繋がるデッキなら《強欲で金満な壺》や《強欲で貪欲な壺》、特定のキーカードがあったり手札に引きこみたくないカードもあるなら《金満で謙虚な壺》という感じでしょうか。
非常に優秀なカードですが、デッキトップから最大6枚も相手に見せてしまうので情報アドバンテージという面においては類似カードの中でも最悪。
駆け引きが生まれるだけといえばそれまでですが…。
また相性のいいテーマ等を思いついたら追記します。